相続トラブルの発生しやすい局面

相続トラブルの発生しやすい典型的な事例を8つに分けて説明します。相続発生時の状況としては、下記図のとおり、遺言書が作成されていない場合は、「遺産」「相続人」「事業承継」の局面でトラブルの発生が見られます。遺言書が作成されている場合には、遺言書の内容についてトラブルの発生が見られます。

まず、「遺産」については、「主な相続財産が不動産しかない場合」が、トラブル発生の典型例の1つになります。
次に「相続人」については、「親と同居している相続人がいる場合」が典型例の2番目となります。さらに「子供がいない場合」と「離婚や内縁関係で亡き夫に子がいる場合」が続きます。

「事業承継」の局面については、「長男が単独で事業承継する場合」がもめる典型例となります。

遺言書が作成されている場合については、「遺言書の内容に納得できない場合」や「遺言の信憑性に疑問がある場合」が典型例となります。また、「遺言が実行されない場合」も意外ともめるケースがあります。

相続トラブル8つの典型事例

<遺言書がない場合>
※ 詳細は該当をクリックして下さい
主な相続財産が不動産しかない場合    
親と同居している相続人がいる場合        
子供がいない場合   
離婚や内縁関係で亡夫に子がいる場合  
⑤  長男が単独で事業承継する場合                    

<遺言書がある場合>
遺言書の内容に納得できない場合          
遺言書の信憑性に疑問がある場合      
遺言が実行されない場合        

相続トラブルの有効な7つの解決策

相続トラブルの有効な解決策は、遺言を作成することです。但し、遺言書の作成については、考慮点があります。具体的には、次の通りとなりますので参考にして下さい。

遺言は、認知症などの恐れのない状況で実施する必要があるので、その恐れのある方は、できる限り早めに実施する認知症が疑われますと遺言の効力が認められなくなる恐れがあります。公正証書遺言の場合、作成できない可能性があります。

遺言を実施する場合は、相続人を正しく調査し確定する具体的には、戸籍を調査して、過去に認知した子や養子等の漏れのない相続人を確定して下さい。通常は、ご本人の記憶で間違いないと思いますが、念のためです。また、ご家族に秘密となっている子がいる場合は、遺言を機会にご説明されることが望ましいと思います。そのままの状況で遺言をしても、亡くなった後、遺族でトラブルになると思われます。

相続財産を漏れのないように洗い出し一覧化しておく
相続財産は、ご家族やご親族の方は、意外に分からないものです。一覧表に作っておけば、ご遺族が大変助かると思います。また、同居の親族などが遺産を勝手に隠蔽しているなどと要らぬ疑いを掛けられる事を防ぐことが出来ます。

遺言は、遺言の成立過程の瑕疵を疑われないよう、公正証書遺言で行う自筆証書遺言の場合、その成立過程に疑問が入りますとトラブルのもとになります。公正証書遺言で2名の証人を立てて公証人に作成してもらえば、安心だと思います。

遺言の内容は、本人の希望は尊重するにしても、他の法定相続人の遺留分を考慮した内容とする家業を継ぐ長男に全部を相続させたいと思っても、他の相続人の考え方によっては、もめる原因となります。一定程度の遺産は、他の相続人に分配できるような配慮は、必要であると思います。不安があれば、弁護士や司法書士等の専門家のアドバイスを受けた方が望ましいと思います。他の相続人から遺留分を主張されますと大変厄介なことになります。

遺言書には、遺言執行者を原則として明記するようにするこれにより、相続発生時の円滑な遺言執行を事前に準備しておくことができます。親族の中で選定してもよいですし、弁護士や司法書士等の専門家に依頼しても良いと思います。但し、専門家に依頼する場合は、一定程度の報酬が掛かりますので、遺言作成時に確認しましょう。

相続人を最後に納得させるのは、やはり親の言葉ですので、遺言書の中に簡単でよいので、親の思いを明記しておく。これにより、無用な遺産争いや、もめた場合の解決の方向性のヒントを与えることができます。最後は、親の言葉の重みが働きます。激しくもめることがある兄弟姉妹でも、争い疲れて、最後は遺言書の言葉に戻ってくると思います。

※ご相談は、名古屋市瑞穂区の村瀨司法書士事務所にお任せください。