遺言書の信憑性に疑問がある場合


<もめる典型的なケース>

親と同居している長男に有利な遺言書が発見された場合、親が遺言当時、認知症の疑いや入院をしていて意思疎通が難しかった状況である場合、遺言書の信憑性に疑問がつきます

・特に遺言書が自筆証書遺言である場合、その疑いは非常に強くなる為、争いに発展する恐れが高くなります。

・ただ、遺言書を作成する場合、年齢的に通常かなり高齢となっている為、認知症の疑いや健康 障害のケースは多くなります。その為、遺言書の正当性の証明は難しいものがあります。

・極端な場合、他の法定相続人から、長男による遺言書の偽造の主張すら出ることがあります。認められれば、長男は有印私文書偽造の罪となり、自動的に相続欠格者となります。

<相続発生時の対応> (トラブル発生状況)

・たとえ本当に親が真意で作成した遺言書であっても死後それを客観的に証明することは難しい 為、長男としても苦慮することになります。

・長男としては、遺言書通りの相続を実行するか、他の相続人と任意に話し合いをして、一部財産の分配をする等の対応が必要になります。合意が取れなければ、裁判による決着しかありません。

・仮に裁判になった場合、立証の面で、裁判は非常に長期化する恐れがあります。

<必要な事前対策>

遺言書の作成過程に瑕疵のないことを客観的に立証できる公正証書によって遺言書を作成しておく。高齢者の場合、認知症発症のリスクを考えて、早めに遺言を行っておく。

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