◆未成年者が相続人にいる場合の相続登記手続の流れ

利益相反の恐れ

(1)相続人の中に未成年者がいる場合、遺産分割協議は、その法定代理人である親権者が行いますが、相続関係によっては両者の利益が相反する場合があります

(2)例えば、父が亡くなった場合で残された相続人が母と未成年の長男である場合です。この場合、遺産分割協議は、相続人である母と長男が行うことになりますが、長男が未成年の為、母が代理することになります。この場合、母は自分と長男の双方の代表(代理)という事になり利益が相反する状態になります。

(3)母の気持ちとして、特に自分が優先する気持ちがないとしても、法律はそのことは考慮しません。単純に客観的・外形的に見て利益が相反する関係であると判断します。

(4)相続人の関係が利益相反に該当するか否かは、判断が難しいケースがあります。必要な場合は、過去の判例等を調査する必要があります

特別代理人の選任 

(1)利益相反と判断される場合、子の為の特別代理人を家庭裁判所に選任申立てをする必要があります

(2)選任の申立ては、特別代理人の候補者 (例えば、親戚の叔父さん) を明示して行うこともできます。但し、裁判所は申立人の候補者に拘束されませんので、案件によっては法律専門家(弁護士や司法書士)が選任される場合があります。この場合は別に報酬が必要になります。

(3)特別代理人の選任申立てから家庭裁判所による選任審判まで通常3週間から1か月程度掛かります。

(4)選任された特別代理人と相続人の間で遺産分割協議を実施することになります

(5)特別代理人は、未成年者にとって格別不利益となるような分割協議は行うことが難しいと思われます。これは、特別代理人選任申立書に遺産分割協議(案)を添付しますので、極端に子に不利な内容の遺産分割協協議(案)の場合、担当裁判官のOKが出ない可能性があります。

 

 

 

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