◆遺言書がある場合の相続登記手続の流れ。

遺言書とは

(1)亡くなった方が遺言書を作成されていた場合、遺言書は亡くなられた方の最終の意思表示でありますので、その意思に従った相続登記をする必要があります。

(2)遺言書には、亡くなられたご本人が書かれた「自筆証書遺言」と公証人役場で公証人が亡くなられた方の意思を確認して作成した「公正証書遺言」があります。

(3)それぞれ相続登記手続きが異なりますので別々にご説明します。

 

自筆証書遺言の場合

(1)亡くなられた方(被相続人)が生前に自筆証書遺言をされていた場合、家庭裁判所に「遺言書の検認手続き」が必要になります。

※令和2年7月10日より「法務局での自筆証書遺言の保管制度」が開始されています。この制度を活用している場合は、遺言書の検認手続きは不要となります。但し、相続人等が遺言書の内容の証明書を法務局で取得するには別途手続きが必要になります。関連する内容をブログ
に記載していますのでご確認ください。 =>関連ブログはこちらへ

(2)遺言書は、封がされたものであれば、家庭裁判所による検認が終わるまで勝手に開封して内容を確認してはいけません。過料に処せられる恐れがあります。

(3)家庭裁判所に対して検認申し立てを行う場合、「遺言書の検認申立書」を作成します。
・申立書には、亡くなられた方や全ての相続人の存在を証明する為、戸籍謄本等の書類の添付が必要になります。

(4)遺言書の検認の申立てを行うと、書類を審査した後、検認期日が指定されます。通常、申立ての日から10日から1か月後の日程となります。

(5)検認期日に相続人全員が家庭裁判所に呼び出されます

家庭裁判所では、検認期日に相続人立会いの下、遺言書の開封を行い、内容の確認を行います。また、必要な証拠保全処置を施します。

(6)検認手続き後、「検認済証明書」の申請を家庭裁判所に行います。この検認済証明書のついた遺言書を使用して相続登記を申請します。

(7)家庭裁判所が自筆証書遺言として不適格(遺言書として法律要件に欠ける)と判断した場合は、遺言書は無効と考えられます。(正式には裁判による。) この場合は、改めて相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。

(8)遺言内容に不満がある方は、相続人の遺留分を侵害している可能性もありますので専門家にご相談下さい。

 

 

公正証書遺言の場合

(1)公正証書遺言がある場合の手続きは、通常手続に比べて簡略化できます

(2)登記原因を証明する情報として、通常は、次の書面で良いことになります

①公正証書による遺言書
②亡くなった方の死亡を証明する被相続人の戸籍謄本(除籍謄本)
※被相続人の生まれてから死亡するまでの戸籍は必要ありません。
③遺言により不動産を相続(取得)する相続人(又は受遺者)が、被相続人死亡時に生存していたことを証する書面として相続人(又は受遺者)の戸籍謄本
④遺言により不動産を相続(取得)する相続人(又は受遺者)の住民票の写し

(3)相続人全員による遺産分割協議は必要ありません

・遺産の分配方法は、遺言書の指示通り実施します。
・相続人全員の印鑑証明書は不要です。

 

 

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