会社の種類
会社には、色々な種類がありますが、ここでは、会社創業時に良く活用される次の会社について特徴を簡単に説明します。

株式会社
最も一般的な会社であり、わが国の9割以上が株式会社です。一部の会社は、旧商法時代に設立された有限会社のものがありますが、これも株式会社です。

特徴としては、まず「所有と経営が分離」していることです。難しい法律用語ですが、簡単に言えば、株主である会社の出資者とは別の会社の経営のプロ (取締役)が会社経営を行うという形態です。

また、会社の経営は、取締役が行いますが、最高意思決定機関として、株主総会が年1回以上開催され、会社の経営をコントロールします

次に、「株主有限責任」ということです。会社の借金は、株主に請求することはできず会社財産のみがその引き当てになります。その結果、会社の債権者保護の為の仕掛けが会社法で整備されています。

会社の業務運営は、定款 (会社経営の根本規則)に従って行いますが、定款の記載内容について会社法等で細かく規制がかけられており、会社設立時には公証人による「定款認証」が義務付けられています。

株式を自由に譲渡できるか否かについては、譲渡を制限することもしないことも選択できます。(これを「式譲渡制限」といい完全に制限されている会社を「非公開会社」といいます。)

株式会社は、規模が小さなものから巨大なものまでありますが、株主や債権者、取引先など多数の関係者がいる為、会社財務の状況を決算情報として公開する義務があります。(「決算公告」といいます)

最後に、株式会社は、営利を目的として設立されます。従って、会社の目的に営利性がまったくなければ設立することはできません。

合同会社 (LLCといいます)
最近設立が増えている会社形態です。但し、ネームバリューがまだない為、内容は魅力的であるが、営業面を考えて躊躇する方もあります。信頼関係のある少人数の会社経営に向くかもしれません。株式会社に比べて格段の自由度があり、制度的には魅力的な一面があります。

特徴として、「所有と経営が分離していません」。出資者がそのまま経営者として事業を推進していきます。所有と経営が一体化しているため株主の意向を気にすることなく経営に専念できます。

次に、会社自治が幅広く認められます。具体的には定款に定めることが幅広く認められています。株式会社のような会社法による規制が少ないのが特徴です。
逆に言えば、定款の定め方が株式会社以上に会社経営にとって重要になります

また、株式会社と比較すれば、合同会社は、同じく営利目的の会社ですが、株式の譲渡制限についていえば、非公開会社ということになります。最高意思決定機関は、出資者である社員による社員総会となります。

定款認証の必要性はなく、決算公告の必要もありません

NPO法人
NPO法人は、公益性が重視される法人です。営利のみを目的として設立することはできません。活動内容も法律によって分野が限定されています。
公益的なサービス事業を行う場合には、各種の優遇措置が受けられます。

特徴として、設立費用の負担が少ないことです。法人設立時に必要となる登録免許税は不要となります。定款認証の必要もありません。諸官庁に対する認可申請は必要となりますが、申請手数料はかかりません。

但し、設立後の資金集めは、苦労する場合もあり、寄付や補助金など幅広く資金集めできる方策を考えておく必要があります。

法人内部の自治は、法による規制はかなりあります。社員総会は年1回以上開催する義務があります。

一般社団法人
その名称から受ける公共的色彩を有効に活用して、事業活動を円滑に進める為に設立する方も増えてきています。2人以上の社員が集まって作る団体に法人格が付与されたものです。

特徴として、営利を目的としてない法人です。但し、公益を目的とする必要はありません。営利活動を合わせて行うことは問題ありません。従って、営利活動を行って収益が出ても社員に配当することはできません。事業活動の資金として使用することになります。

NPO法人のように主務官庁の認可は不要です。対象事業が法で制限されていることもありません。但し、定款は作成して公証人の認証を受ける必要があります

法人内部の規制は、株式会社と同じような規制が働きます。(社員総会、理事、理事会、幹事などの機関)

次の項目へ(資金計画)

※ご相談は、名古屋市瑞穂区の村瀨司法書士事務所にお任せください。