南海トラフ巨大地震の発生に警戒した方か良いかどうか。

鳥取で震度5強の地震が発生するなど西日本での地震活動が心配な状況となっています。この地域の地震が、過去の地震発生の歴史的分析から、南海トラフ巨大地震の前兆の可能性があるという人もいます。いたずらに不安を煽ってもいけませんので慎重に見極めていく必要があると思います。

さて、南海トラフ巨大地震については、気象庁が巨大地震発生の可能性を評価する専門家による「評価検討会」制度の運用を昨年の11月1日より開始しています。評価検討会の結果については、「南海トラフ地震に関連する情報」として発表されます。

この中で、今年の2月26日の情報として、「2月半ばごろから、紀伊半島や四国のプレート境界付近を震源とする深部低周波地震と、わずかな地殻変動をとらえた」と明らかにされました。具体的には、、2月11日から15日にかけて、奈良県を中心とした紀伊半島南部、また21日からは愛媛県のプレート境界付近を震源とする深部低周波地震が観測されたという事でした。

深部低周波地震とは、通常の地震波より周波数が低く、プレート境界の深さ30〜40キロ付近で発生するものです。検討会では、南海トラフの震源域のプレート境界で「スロースリップ(ゆっくりすべり)」が発生している可能性が高いとの評価でした。

但し、現時点では、「巨大地震発生の可能性が平常時と比べて高まったと考えられる特段の変化はない」と結論づけられました。「スロースリップ」と聞くと東海地震発生の前兆現象として、その発生を必死に観測していたものではなかったのでしょうか。

これについては、4月6日の定例会合で、東海から九州の東にある「日向灘」にかけての想定震源域やその周辺で観測されたデータが詳しく検討されています。2月21日から先月31日にかけて、徳島県から豊後水道にかけてのプレート境界を震源とする「深部低周波地震」が観測され、これに伴い、愛媛県と高知県に設置された複数の「ひずみ計」でわずかな地殻変動が観測されたということです。

これらは、想定震源域の深いところでプレート境界が数日から1週間程度かけてゆっくりとずれ動く「短期的ゆっくりすべり」が原因と見られ、過去にもこの地域で起きているということでした。

評価検討会は、このほかのデータも含めて判断した結果、「現在のところ、平常時と比べて発生の可能性が高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」とする見解を発表しました。著名な地震学者の方々が「スロースリップ」は発生し地殻変動も観測されているが、過去にも見られたことなので、今は特段の心配はないと結論づけています。気象庁の公式見解ですので一応は安心しています。

ただ、「スロースリップ」が南海トラフ巨大地震の想定震源域で発生していることに対して、なぜ問題がないのか、もう少し素人にも分かりやすい説明が欲しいような気がします。今のままですと少し不安が残ります。

今後も評価検討会は継続して、この事実を観測していくと思いますので定例報告には、注意していきたいと思います。

尚、本当に危機が迫っている時は、緊急の判定会が招集されて危機管理体制が取られるとのことですが、それらの運営体制についても積極的に国民に情宣する必要があるような気がします。多くの国民は良く知らないと思いますので、マスコミを含め啓蒙してもらいたいと思います。

 

 

 

Follow me!