「H7N9」型鳥インフルが新たな脅威になる恐れ

中国などで1500人以上に感染したと報告されている、「H7N9」型と呼ばれる鳥インフルエンザのウイルスについて、東京大学などのグループが分析をしたところ、せきなどで出る飛まつで拡散される性質があることが分かったとの報道がありました。

従来、鳥インフルエンザは、哺乳類は飛沫感染しないと考えられていましたが、今回の研究発表では、飛沫で感染することが確認されたとのことです。これは、大変な発見であると共に新たな脅威の始まりでもあります。

今回の実験は、勿論、動物実験 (イタチの仲間のフェレットを使用) での確認ですが、人から人に飛沫で直接感染する可能性は否定できないと思います。中国では1500人以上が感染し、多くの死亡者を出しています。

WHOの発表(平成29年7月25日時点)では、現在までの発生状況は、感染が確定した者は1,557名、死亡者は605名となっています。

単純に死亡者数を感染者数で割ってはいけないとは思いますが、単純に割ると致死率39%となり、大変な数字になります。今回の研究報告によりH7N9型鳥インフルエンザで哺乳類間での飛沫感染が確認されたことにより、世界的な大流行であるパンデミックの発生のリスクが出てきたことになります。

日本の厚生労働省の見解では、このH7N9型ウィルスについては、人から人への大規模な感染は想定されていません。

平成29年8月24日(木)現在、内閣官房新型インフルエンザ等対策室のホームページによれば、『 平成28年末から中国における感染者の急な増加がみられ、過去の流行期に比べて発生規模が大きくなっているが、感染者の状況やウイルスの性質は過去の流行期と同様とされている。‥‥ これまで主に家族内や入院中に同じ病室となった患者間での限定的なヒト-ヒト感染が起こっているが、H7N9ウイルスは、ヒト-ヒト間で容易に感染伝播するような能力は獲得しておらず、容易に感染が拡大する可能性は低い。平成28年末に、家きんに対して高い病原性を示すH7N9ウイルスが中国で初めてヒトから分離されたが、今回の低病原性ウイルスから高病原性ウイルスへの変異により、ヒトに対する病原性や感染力に変化を与えるという科学的な根拠は認められていない。』

勿論、コメントの最後には、『 今後、遺伝子変異によりパンデミックを起こす可能性は否定できないことから、継続して状況を注視する。』となっています。

パンデミックが発生してしまえば、拡大を防止することは極めて難しくなることが予想されます。ワクチンの開発等必要な対策の検討を始めてほしいと思います。個人ベースでは、飛沫感染防止の観点から、マスクと手洗いくらいしか対策はないと思いますが、これからの流行期は対策をしたいと思います。

 

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