ウイルス感染拡大で世の中が暗くならないように

新型コロナウイルスの日本国内での感染拡大が本格的な段階に入ってきました。流行拡大を阻止すべく政府や民間では対応策の検討に追われています。個々人のマスクや手洗いだけでは感染拡大が難しいため、スポーツ観戦やコンサートなどのイベントの中止がこれから広がっていくと思います。

生き物の免疫の仕組みについて研究し、日本人で初めてノーベル医学・生理学賞を受賞したマサチューセッツ工科大学の利根川進教授は、従来より、「これからの人類にとって最大の驚異はウィルスや細菌の感染である。これといかに戦っていくかが人類にとって最も重要」であることを力説されていました。

当時は、この言葉の意味がピンとこない方も多かったと思います。人類の疫学上の課題はガンや成人病への対応が最重要であると認識していたからです。その後、鳥インフルエンザやサーズやマーズなどの新型のウイルス感染が発生し世界的に大問題となりました。

利根川博士は、体の中に侵入したウイルスや細菌は、体の中の「抗体」という物質がこれと戦う仕組みを研究されてきました。ウィルスや細菌は変異し姿かたちを変えて攻撃してくるのに体の中の抗体が何故これに対応できるのか長年謎でした。利根川博士は、抗体に関わる遺伝子が侵入者に対応して変化し、これにより抗体自体が姿を変えてあらゆる敵に対応できる仕組みであることを解明しました。

人間には生命維持機能として抗体による自己防衛機能が備わっており、ウィルスに感染しても、通常は、ウイルスは抗体により除去されて自然治癒します。今回の新型コロナウイルスも例外ではなく自然に治癒すると思います。

問題は、この抗体の機能の弱っている方は自己防衛機能が弱くなっているためウィルスなどに感染すると重篤化する恐れがあるということです。高齢者や持病のある方は抗体の機能が一般的に弱くなっていますので注意が必要ということになります。

高齢者でも健康で元気はつらつな方もおられますので抗体機能に問題がなければ恐れる必要はないと思います。また若い方でも、妊婦や胎児、妊娠可能な女性への影響は分かっていませんので、ここは注意が必要ということになると思います。

大規模な集会や各種イベントの中止がこれから続くことになると思いますが、あまり暗くならないで前向きに考えて生きていくことが大切だと思います。抗体の機能を良好に保つことが最も感染症対策にとって重要です。暗くなることは精神的にマイナスに働き抗体にも悪い影響がでると思います。

抗体機能を活性化するためには、十分な睡眠とバランスの取れた食事、適度の運動が必要です。あわせてストレスをうまくコントロールすることも重要になると思います。

ウイルスの体への進入を防ぐことは今の段階では既に難しいかもしれません。ウイルスが体へ侵入することを前提とした対応を前向きに考えていくことが必要ではないかと思います。また、薬の研究も急ピッチで進んでいますのでその点にも期待をかけたいと思います。

気力や体力を充実させて、この国難ともいえる難局をみんなで乗り越えていきたいと思います。

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