インフルエンザと風疹の患者が急増中
夏風邪と思っていたらインフルエンザに感染している人が増えています。学級閉鎖も増加しているとのことです。通常、インフルエンザの流行期は、12月から3月ですが、今年は9月で既に流行が始まっています。
流行の原因は、はっきりしたことは分かりませんが、海外からの旅行者が増加している点が挙げられるそうです。東南アジアでは、インフルエンザは今が流行期だそうです。南半球のオーストラリアでは、8月~9月が流行の最盛期だそうです。これらの国からの旅行者が日本に観光で多く訪れている為、流行が広がっている可能性があります。
東南アジアの国々では、インフルエンザに感染しても病院に行くことはあまりなく、通常の風邪と同じように、自宅で寝て治すことが普通だそうです。従って、自分がインフルエンザに感染していることについて、気づいていない人も多いと思います。
また、日本人もこの時期にインフルエンザに感染して熱が出ても、まさかインフルエンザとは思わず、単なる夏風邪と判断して、市販の風邪薬を飲んで会社や学校等に通勤通学することが多いと思います。これが流行を拡大している原因の1つかもしれません。
また、風疹患者も昨年に比べて患者数が5倍を超えているとのことです。こちらは、東京都や千葉県、などの首都圏と愛知県などで流行しています。患者は、30代から50代の男性が目立つそうです。この年代は、ワクチンの定期接種を受けられなかった世代のようで免疫が他の世代に比べて弱いとのことです。
風疹は、免疫が不十分な人に対しては、感染力が強力です。くしゃみや咳で感染し、2~3週間潜伏期間の後、発熱や発疹の症状が出ます。妊婦が感染すると胎児に難聴や心臓疾患、白内障になるリスクがあります。感染力が非常に強い為、首都圏や愛知県から全国に拡大する恐れがあります。
2013年に大流行がありましたが、今年も大流行の兆しがあります。妊婦の方は、ワクチンを接種できませんので、周りの方で免疫が不十分と思われる方は、積極的にワクチン接種をすることが必要だと思います。
日本への海外からの観光客が2000万人を超え、日本人の海外旅行も大幅に増加している現在、感染症の発生リスクは、今後とも拡大を続けると思われます。致死率や感染力の強い病原菌によるパンミックが発生した場合、感染拡大時は大騒ぎをしますが、流行が沈静化するとすぐに忘れてしまいがちです。
我が国の気候条件が、夏場は亜熱帯に近い状況になっている最近の状況を見ると、想定しないような感染症が突然広がる恐れがあります。感染症の発生時だけでなく、平常より空港や港などでは、旅行客などの防疫体制の強化が必要になってくると思います。
東京2020の五輪に向けて我が国の感染症対策も強化する必要がある時期に来ていると思います。