名古屋市は小学校の部活動を全廃

名古屋市教育委員会は3月5日、名古屋市の市立小学校の部活動を2020年度末に廃止する方針を決めたとの報道がありました。教師の労働時間の逼迫要因となっている部活動を廃止し教師の負担を軽減するとのこと。

名古屋市の教育長によれば、これにより教師による教材研究や児童に対応できる時間を確保できることになるとしています。小学校の部活動と言えば、サッカーや野球、合唱などがありますが、いきなり全廃するとは、ちょっと驚いています。

確かに、平日は2〰3時間、週3〰4日程度は部活動をしている為、顧問の先生の負担は、結構あると思います。活動中の事故の問題もある為、注意義務を尽くして指導する先生の責任も生じています。本当に指導が好きな先生もいると思いますが、本当はやりたくないのに、上からの指示で顧問を引き受けている先生もいるかと思います。

また、国レベルの話として、中学校の運動部活動の在り方を検討しているスポーツ庁の検討会議は、2月23日の会合で「中学校の部活度に週2日以上の休養日を設ける」というガイドライン(案)を策定しています。こちらは、どちらかというと子供目線の対応で、子供の負担軽減の為に休養日を設けるというものです。勿論、対応している教師の負担軽減にもつながる話だとは思います。

この中で、当初の検討対象であった中学校の部活動の話を広げて、高校の部活動もこのガイドライン(案)を適用する方針案が示されています。高校生も週2日程度の休養日を設けなさいという事です。このガイドラインは3月にも正式に決定される予定と言います。

世の中は、働き方改革がブームの様ですが、教師の負担軽減や残業時間削減は必要だと思います。本当に苦労されている先生は非常に多いと思います。ただ、子供の運動を中心とした活動が一定程度制限されることは、子供の成長にとってどうなのかと思うところがあります。小学生の運動能力の低下が最近問題になっています。特に男子の低下は継続した傾向がみられており、深刻な状況かもしれません。

中学・高校の部活動に一定程度休養日を設ける話と小学校の部活廃止は、レベルが相当違う気がします。子供たちは、放課後はまっすく帰宅して塾通いのような生活になるのでしょうか。名古屋市の決断は、全国の市町村の小学校の部活動に大きな影響を与える恐れがあると思います。小学校で行った部活動の経験は、人としての大切な基礎を形成できる場でもあると思いますので、何とか存続できないかと思うところではあります。

名古屋市は、教師の負担にならない児童の運動の場を別に検討するようなことを言っています。それはスポーツクラブ的な物かどうか分かりませんが、運動好きな児童の活動の場は、是非、確保して頂きたいと思います。

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