シニア世代が起業するなら、断然「合同会社」その9

合同会社の定款記載事項 (任意的記載事項)
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定款の記載事項として、最後に任意的記載事項があります。会社法の規定に反しない範囲で、必要があれば、任意に記載しておく項目です。但し、任意的記載事項だからと言って、一旦記載した後に、これを任意に変更することはできません。定款に一旦定義すれば、その変更は定款変更の手続きを踏む必要があります。

具体的には、事業年度の定めや社員総会を設置する定め、社長の定めなど色々あります。会社の実情に合わせて必要なものを定めれば良いと思います。

社員総会を定めた場合の考慮点

合同会社は、社員総会などの機関は設置しないことが基本です。しかし、会社法の規定の中には、物事を決めるのに「総社員の同意」「社員の過半数の承認」などを要求しているものが多いため、複数の社員がいる場合は、同意や承認、承諾を取得するために社員総会という機関を設計するメリットはあります。

この場合、定款に定めれば、合同会社も社員総会を設置することが出来ます。その場合は、以下の項目等を合わせて定款に定める必要があります。

① 社員総会を設置する旨
② 社員総会の権限
例示として「社員総会は、法令又は定款の定めに基づき社員の同意、承諾又は承認を要する事項について、同意、承諾又は承認の決議をもって、社員の同意、承諾又は承認とみなす。」などと定めます。

③ 社員総会の招集方法
–定時総会、臨時総会の定め
–召集時期の定め
–招集通知の定め
④ 社員総会の招集権者
–通常は、代表社員(社長)が招集します。
–社長が事故の場合の招集権者の定め
⑤ 社員総会の議長
–通常は、社長となります。
–社長が事故の場合の招集権者の定め
⑥ 社員総会の議決権
–社員の議決権について定めます。1社員1議決権の定め方が多いと思います。
⑦ 議決権の代理行使の方法
–委任状を持参した代理人による議決権の行使方法について規定します。
⑧ 社員総会議事録の作成
–社員総会の議事録の作成について、作成者、議事録記載内容、署名・押印者、
議事録保存期間・保存場所、議事録閲覧方法等について規定します。

③から⑧は、株式会社の定款見本などを確認されれば良いと思います。株主総会部分を社員総会と読み替え、合同会社として必要な変更を加えれば良いと思います。

さらに、書面決議 ( 実際に社員総会を開くことなく、書面の持ち回り承認で決議があったことにする決議方法 ) なども規定されたい方は、「社員総会の決議の省略」、「社員総会への報告の省略」(社員へ個別に報告を行った場合は、社員総会に改めて報告しなくても良いとする定め ) なども株式会社の定款を参考に規定されると良いでしょう。

最後に

シニア世代や主婦層、学生さんが1人又は少人数で起業するなら、合同会社がお薦めであることは、ご理解頂けましたでしょうか。簡単、最速、低費用と言ってもお話しました通り、定款の作成がポイントとなりますので、会社法等をご自身で勉強されるのが少し辛いとお考えの方は、是非、弁護士や司法書士等の会社法の専門家のアドバイスを受けて頂きたいと思います。会社は、作ることよりも、できてからの運営が全てですから。

( シニアが起業するなら、断然「合同会社」終わり )
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