シニア世代が起業するなら、断然「合同会社」その7

合同会社の定款の作成
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会社の定款の記載事項は、次の3種類に分類することが出来ます。
① 絶対的記載事項
② 相対的記載事項
③ 任意的記載事項

①の絶対的記載事項は、これを書き漏らすと定款として無効となるもので、必須記載項目です。②の相対的記載事項は、記載しなくとも定款としての効力には影響を与えませんが、定款に記載しなければ、その効力が認められない記載事項です。例えば、会社法などで定められている合同会社の規則・ルール等の定めを変更したい場合は、変更する定めを記載するような場合です。③の任意的記載事項は、記載しなくとも定款の効力には関係がありませんが、会社法の規定に反しない範囲で、必要に応じて記載する任意の事項です。例えば、事業年度の定め等です。

絶対的記載事項
絶対的記載事項は、次の項目です。必須記載事項です。
目的
会社の営む事業内容です。自由に決めて頂いて結構ですが、記載内容が、適法で明確でなければならないとされています。商業登記の登記官が、内容が分からないと判断されますと設立登記が通りませんので、若干、慎重に判断する必要があります。会社の目的適否判定事例集等の書籍 (過去に通ったものやダメだったものの記載例集)もあります。

許認可事業を予定されている方は、監督官庁のホームページなどで目的欄に書くべき事項(又は書いたらNGとなる事項)を事前に調査する必要があります。

最近のカタカナ用語や新しいビジネスについては、世間的に通用する用語であるか見極める必要があります。「ネイルサロン」、「ムーバータクシー」「アフリエイト」等など 新しいビジネスは日々発生していますが、目的に書いて登記官に通るかどうか要注意です。私は、広辞苑等に載っているかどうかで凡そ判定しています。

商号
「合同会社」の文字は必ず入れる必要があります。商号は、原則、自由に選定して頂いて結構ですが、「同一商号」の禁止の制約や「類似商号」の問題等、事前に商号調査を行う必要があります。

同一商号の禁止は、同一本店所在場所に同一商号の会社は設立することが出来ないという規制です。通常は、一致することはないと思いますが、最近は、本店住所名義貸しビジネスやサテライトオフィス等が流行っていますので、同じ本店所在地に大勢の方が会社を設立している場合、同一商号となることがないとは言えませんので注意が必要です。

また、類似商号問題として、会社法では、「何人も不正の目的をもって、他の商人てあると誤認させる恐れのある名称または商号を使用することはできない」と規制しています。また、他人の商号として世間に広く知れ渡っている商号と同一もしくは類似の商号を使用して、世間の方を欺いて、自分の営業に呼び込もうとする商号の選定方法も禁止されています。

本店所在地
定款に記載する本店の所在地は、最小行政区画です。最小行政区画とは、市町村の事です。(東京都の特別区は「区」です。) 政令指定市も「市」です。
最小行政区画以下の町名地番まで記載しても結構です。但し、本店を将来移転するとき定款変更の手続きが発生します。

社員の氏名または名称及び住所
通常は、社員の氏名と住所です。社員の名称は、法人が社員になる場合の記載内容です。

社員の全部が有限責任社員であること
その通り記載します。

社員の出資の目的及び評価の標準
合同会社の各社員が出資をした具体的内容を個人(又は法人)毎に記載します。

③④⑤⑥についての記載例
例えば、次のような記載例となります。

第××条
当会社の社員の氏名又は名称及び住所、出資の目的及びその価格並びに責任は、次のとおりである。

社員 山田太郎   愛知県名古屋市瑞穂区〇町2番1号  金210万円
社員   田中五郎       東京都新宿区西新宿△町105番         金80万円
社員   ABC株式会社 東京都港区港南〇番地△       金100万円
社員   水野順二   愛知県瀬戸市田中町〇番地10号   金10万円
現物出資の目的
複合機
型名(型番)  ブラザー MFC-J1385CWD
製造番号     B36589745
この価格     金10万円
2 当会社の社員は、すべて有限責任社員とする。

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