シニア世代が起業するなら、断然「合同会社」その2

合同会社とは   ★合同会社設立の全体目次はこちらをクリックして下さい。

会社には、色々な種類がありますが、合同会社は、合名会社や合資会社と同じジャンルに分類される「持分会社」の1つです。持分会社とは、出資者である社員が、会社の経営を自ら行う会社形態です。つまり、難しく言えば、「所有と経営の一致」した会社形態ということになります。

これに対して、他の会社類型として「株式会社」があります。 これは、出資者である株主と会社を運営していく経営者 (取締役) が、法制度上、分離している会社形態となります。これを「所有と経営の分離」した会社形態と言います。

株式会社では、出資者を「株主」と言いますが、持ち分会社では「社員」と言います。社員は、会社の従業員ではありません。会社の所有者兼経営者です。

持分会社には、合同会社以外に「合名会社」や「合資会社」があります。合同会社との違いは、社員の会社債権者に対して負う責任が、「無限責任」を負うか「有限責任」にとどまるかの違いです。合名会社では、社員の全員が無限責任を負います。合資会社では、社員の内、特定の社員が無限責任を負います。合同会社は、社員の責任は、有限責任です

合名会社や合資会社は、株式会社等と比べれば、数は少ないですが、現在でも相当数の会社が営業を行っています。一般的には会社規模は小さく、家族経営で行っているものが多いと思います。

では、なぜ合名・合資会社は無限責任となっているのでしょうか

会社規模の小さな町の花屋さんや小料理屋さん、電気屋さんや水道工事屋さん等が会社形態で事業を運営する場合、これらの会社と取引をする取引先の立場からすると会社の経営者にしっかりと支払い責任を取ってもらわなければ、取引をしたいとは思わないからです

「会社の負債は、会社財産のみが支払いの最終担保で経営者である社員は、責任を負いません。」というようなことはなかなか通用しません。このような理由から、これらの会社形態では、会社の社員である経営者は無限責任を負うこととなっています。(合資会社は、無限責任社員と有限責任社員から構成されます。この点が、全員が無限責任社員の合名会社との違いです。)

合同会社のお薦めポイント1

今回、お話した合同会社の優れている点は、社員(経営者)の責任が、有限責任である点です。シニアや主婦、学生さんの起業にともなう事業形態は、規模がかなり小さなものになります。用意できる資本金もかなり少ないのが普通です。小さな会社でも経営者が無限責任を負うことなく、有限責任で済ますことが出来る点は、大きなメリットだと思います

もちろん、株式会社も有限責任形態ですが、これは、資本金の規模が、通常、それなりの規模となることから、会社の最終担保価値もある程度保持すことができ取引先の信用を得やすいからです。また、会社運営を行う者が、株主ではなく経営のプロである「取締役」が行う法制度上の設計から、信用力の担保が法制度上確保されているからです。 (上で述べた「所有と経営の分離」の具体化 )

一方、合同会社は、社員自らが運営する会社形態で、資本規模の小さな会社でありながら、法制度上、有限責任が保証されている会社なのです。会社内部の運営について、会社の所有者兼経営者である社員がある程度自由に運営することができるにも関わらず、有限責任なのです。この法制度を有効に活用しない手はないと思います。

(次回に続く) ★合同会社設立の全体目次はこちらをクリックしてください。

Follow me!