長男が単独で事業承継する場合


<もめる典型的なケース>

・父親が経営している会社で長男が次期社長の立場の場合、会社を長男が単独で相続しようとすると他の相続人の遺産配分が少なくなり、相続トラブルに発展するケースが多いと思われます。

・相続財産が、会社の土地建物や工場、倉庫と少しばかりの現金の場合が、特に問題になります。現金は、通常は、会社の運転資金や事業資金で必要となる為、相続で分配する事は難しいです。

・また、会社を構成する不動産が都市部にあれば、その評価額は大きいものとなり、相続をする会社株式の評価額は、想像以上に高額になります。

会社経営に関与しない他の相続人から見ると、長男だけが沢山の相続財産を持っていくように見えてしまう為、不満が出やすい状況になります

問題は、相続人だけの問題に留まらず、従業員を含めた会社全体の存亡の問題に発展する恐れもあります。うまく処理できなければ、会社を解体・整理して、遺産を分配することになります

<相続発生時の対応>  (トラブル発生状況)

・一定規模以上の会社であれば、会社の事業承継について、必要な対策を講じていると思われますが、意外に何も検討されていない場合がある為、相続発生時に会社が大混乱となります。

・会社の株式を相続人で持ち合うことも可能ですが、会社の今後の運営上、足かせになる恐れが高いと思われます。会社の意思決定で齟齬が出れば、会社の存立にかかわる事態となります。

<必要な事前対策>

生前に長男に会社の事業を承継させる内容の遺言をしておく。他の相続人の遺留分にも配慮した内容としておく。相続財産が会社財産しかない場合は、父から他の相続人に会社継続の為に長男に事業承継させる旨を十分説明し了解を得ておく。

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