① 高齢者の将来の不動産処分による必要資金の調達

◆家族信託の内容について、事例ケース毎のご説明を致します。 ※家族信託の一般的な説明や手順、費用などについては、こちらをご覧下さい。

<困っている課題・問題>

・高齢者の山田太郎さんは、持ち家と金銭を保有しています。山田さんには、長男の健一さんがいます。

・山田さんは今現在は元気だが、将来、認知症を発症した場合、介護施設等への費用の捻出は持家を処分する必要があると考えていますが、意思能力が低下した状態での売却は難しいと悩んでいます。また、金銭管理についても不安があります。

<現在の状況>

<家族信託を活用した場合>

家族信託で実現したいこと

・山田さんは、持ち家と金銭の管理を長男の健一さんに委ね、引続き持家に居住し生活する。山田さんが認知症になり介護施設などに入居する場合は、長男健一さんが持家の売却を行い必要費用を調達する。本人の金銭と売却代金の残りを山田さんの生活費や介護費、医療費に充てていく。

家族信託での対応方法

・山田さんを「委託者」・「受益者」、長男健一さんを「受託者」とする民事信託契約 (家族信託契約) を締結する

・「信託財産」を山田さんの持家と金銭とする。

・山田さんから長男健一さんへ「信託する内容」を次のとおり定める。

①長男健一さんは、持家及び金銭を管理する。
②長男健一さんは、山田さんを持家に居住させる。
③長男健一さんは、山田さんが認知症になった場合は持家を売却する。
④長男健一さんは、持家の売却代金と金銭を使用して山田さんの施設への入所費用や介護費、生活費、医療費等の拠出を行う。
⑤長男健一さんの信託報酬は無償とする
⑥山田さんが死亡した場合、信託は終了する。

<家族信託後のイメージ>

<認知症発症時のイメージ>

② 高齢者のアパート経営

<困っている課題・問題>

・高齢者の山田太郎さんは、空き地を保有しています。山田さんには、長男の健一さんがいます。

・山田さんは空き地の有効利用を考えていたところ、不動産会社から空き地にアパートを建てたらどうかとの提案がありました。

・山田さんは今現在は元気だが、将来、認知症を発症した場合のことを考えるとアパート経営に不安があります。また、アパートの建設や借家人との賃貸借契約の締結などうまくできるかどうか悩んでいます。

<現在の状況>

<家族信託を活用した場合>

家族信託で実現したいこと

・山田さんは、空き地の管理を長男の健一さんに委ね、健一さんは空き地に賃貸用のアパートを建てアパート経営を行う。健一さんは、アパート経営で得られた収益を山田さんの生活費や医療費、介護費等に充てていく。

家族信託での対応方法

・山田さんを「委託者」・「受益者」、長男健一さんを「受託者」とする民事信託契約 (家族信託契約) を締結する。

・「信託財産」を山田さんの空き地とする。

・山田さんから長男健一さんへ「信託する内容」を次のとおり定める。

①長男健一さんは、空地にアパートを建築する。
②長男健一さんは、アパートを建設するに当たって金融機関から借り入れを行う。
③長男健一さんは、金融機関からの借入の担保として敷地に抵当権を設定する。
④長男健一さんは、不動産会社を仲介として借家人を募集しアパートの賃貸経営を行う。
⑤長男健一さんは、アパートの賃貸経営から得られた収益を使用して山田さんの生活費、医療費、介護費等の拠出を行う。
⑥長男健一さんの信託報酬は無償とする
⑦山田さんが死亡した場合、信託は終了する。

<家族信託後のイメージ>

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