「南海トラフ地震」30年以内の発生確率が70~80%

政府の地震調査委員会は、関東から九州・沖縄地方までの広い範囲で被害が想定される「南海トラフ巨大地震」について、来年1月時点での今後30年以内の発生確率を現在の「70%程度」から「70~80%」に引き上げることを決めたそうです。

地震調査委員会の会長の平田直(東京大教授)は「年が変わって急に地震が発生しやすくなるわけではないが、刻一刻と次の巨大地震が迫っている表れでもある。」「いつ起きてもいいように備えてほしい」と話しているそうです。

南海トラフ地震のマグネチュードは、最大8から9程度の超巨大地震となり、想定される津波の被害や家屋の倒壊などで巨額の損害の発生が色々な研究機関から試算され公表されています。100兆円を超える被害額を予想するものもあります。

ここで疑問に思うことは、いくら国民に備えて下さいと言っても、現実には対応のしようがない気がすることです。地道な耐震補強の推進や避難訓練はもちろん意味のあることだと思います。しかし、その効果は想定被害から考えて、ごく限られたものにしかならないような気がします。

政府は外国の脅威が迫っていることの対応として、巨額の防衛予算を計上して、ミサイル防衛システムの導入や迎撃ミサイルの増強を計画しています。また、離島防衛の為、空母の導入も検討を開始するような報道があります。現実の脅威に対して多額の予算を計上することについて、特に反対するつもりはありません。

しかし、まじかに迫った巨大地震に対する対応が極めて弱いような気がします。地震学者は、地震予知を諦めています。地震は予知できないので、起きた時の被害を最小限にする方策の検討に力を入れているように見えます。

世界中で一番地震の発生している日本で、毎日のように地震の発生している日本で、地震の予知研究を諦めたらだめだと思います。東日本大震災のショックから地震学者が自信を無くし慎重になっていることは分かりますが、積極的に「地震予知」を科学として真剣に研究する学者が出てきてほしいと思います。

政府も色々な国策はあると思いますが、地震予知に巨額の予算を投じたらどうでしょうか。100兆円クラスの被害が予想されますというのであれば、対策費として、地震の予知研究に数兆円ぐらい投じても元は取れるのではないでしょうか。

巨額の研究予算を掛けて、色々な角度から予知研究を推し進めれば、地震予知の可能性はあるのではないでしょうか。地震とは関係ありませんが、名古屋大学の研究者で、現在、台風の進路予想の精度向上の為に、台風の目の上に飛行機を飛ばして、そこから観測機器を台風の目に投下して情報収集する研究を行っている方がいます。

また、ビラミットの中を透視する為に、既存の技術 (透視には「ミューオン」と呼ばれる素粒子が使われています。) を応用して、中の大きな空洞をあぶり出した研究チームがいます。いづれも、従来の発想を超えて、既存の技術を応用して新たな発見や成果を目指したものです。

地震予知も最初からあきらめることなく、ありとあらゆる技術を動員して取組む必要があるのではないでしょうか。AIの応用はできないのでしょうか。衛星は活用できないのでしょうか。巨額の被害を想定するなら、政府に専用の省庁(地震対策庁)でも設置して、防衛省並みの予算をつけて研究するくらいの対応が必要ではないのでしょうか。

人々の命や財産を守るのであれば、ある程度の精度のある「地震予知」しか有効な策はないように思います。

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