今年のお花見は、早めの計画をした方が良いかも。

日本気象株式会社は、3月8日に2018年第6回桜の開花・満開予想を発表しました。それによると今年の桜は、平年並みか平年より早まるとのことでした。テレビの気象予報などを見ていますと多くの気象予報士は、今年は例年より開花は早まると見ているようです。

そもそも桜の開花・満開予想はどのように行うのでしょうか。単純に、この先3月の気温が高めだから早く開花するといった単純なものではないそうです。そもそも桜の花の開花のメカニズムを知る必要があます。結構、不思議な過程を経て桜は開花するとのことです。

キーワードは「休眠打破」です。何だかドリンク剤の名前みたいですが、実はこれが桜の開花に重要な意味を持っています。春に咲くサクラの「花の芽」は、前年の夏に形成されます。しかし、夏の時期は、それ以上、生成・成長することなく、その後、「休眠」という状態になります。季節は、晩秋の時期です。

休眠した「花の芽」は、一定期間、低温にさらされることで、眠りからさめ、開花の準備を始めます。これを「休眠打破」といいます。桜の「花の芽」は寒いと目覚めるのです。何だか想像と逆の感じがします。暖かいと目覚めるのではありません。寒いと目覚めます。

休眠打破は、この秋から冬にかけて一定期間、低温さらされることが重要なポイントになります。

そして、春になり、気温が上昇するにともなって、目覚めた「花の芽」は成長し「生成」します。気温が高くなるスピードにあわせて、「花の芽」の生成も加速します。生成のピークをむかえると「開花」することになります。

このように、サクラの「花の芽」の「休眠」・「休眠打破」・「生成」・「開花」は、秋から冬にかけての気温と春先の気温に、大きく関係していることになります。その為、気候の条件が合う国 (四季のある国) でないと日本の桜を植樹しても、うまく咲きません。

今年の冬は、全国的に寒さが厳しかったこともあり、十分な「休眠打破」となったと思います。3月に入っての気温の上昇は早くなっていますので、一気に開花する気配もあると思います。よって、今年の花見の計画は、早めの計画を立てた方が良いと思います。

ところで、桜について暗いニュースもあります。花見に深刻な危機が訪れようとしているのです。桜の木の幹を内部から食い荒らす特定外来生物が全国で繁殖している恐れがあるのです。

日本国内での拡大が危惧されているのは、中国・モンゴルなどに分布している「クビアカツヤカミキリ」です。環境省は、このカミキリを特定外来生物に指定しました。

既に全国的に広がっているからです。薬剤の散布などによる対策には、木の表面から確認が難しい為、限界があるようです。対策要員や予算も不足していることから、被害の拡大・防止は難しいのが現状みたいです。

即効性のある対策は、桜の木の倒木しかないのが現状です。日本全国の桜をどのように守ってくかについて、国民的な議論も必要になると思います。桜を守る為に桜の木を切り倒すことには日本人としてかなり抵抗感があると思います。「桜募金」の様なことも必要になってくるかもしれません。

まあ、心配事は色々ありますが、ともかく、今年の花見は花見として楽しく行いましょう。

 

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