コロナによる先行きの不安が広がる中、人々のスキルアップのための学習意欲が高まっています。コロナによる感染が広がっている状況の中では、勤めている会社がいつ倒産や廃業になるか分かりません。これまで漫然と働いていた方も自分が万一失業した時のことが頭をよぎるようになっています。

このような状況の中では、自分自身の価値を少しでも高めておかないと、これから発生するかもしれない苦難を乗り切れないと思うようなります。このことが、人々をしてスキル向上のための色々な学習活動へと向かわせているものと思います。

コロナ感染予防のため在宅勤務者が増え、在宅でのオンライン環境が整備されたことも学習意欲の向上に追い風となっています。通勤時間のカットで浮いた時間を学習時間に充てることができるようになり、意欲のある方は学習時間に充てています。

学習用の教材もオンライン環境で色々な業者から動画などを含めて提供されています。英会話などの外国語の習得では、オンラインでの対面式の授業が普通に行われています。スキルアップを目指したい人にとって勉強するための時間と環境が比較的容易に提供され始めています。

将来への不安と学習環境の提供が上手くマッチして、人々の学習意欲が高まっているのです。令和２年度の行政書士試験の受験者数が過去５年間で最高の５万４８４７人を記録しました。最近は、各種資格試験の受験者数は年々減少する傾向にありますが、前年比１０５% 増加の状況は驚くものがあります。

人生１００年時代を迎え、７０歳定年延長の声も聞こえてくる中、少しでも社会で長く活躍できるように自分自身のスキルを磨こうとする方が増えています。今回のコロナ感染により、在宅で過ごす時間が長くなったことにより「学び直し」の機運が高まったものと思います。

学ぶ分野として人気があるものは、外国語の習得、IT関連の知識向上、なかでもプログラミング関係のスキル習得、営業や経営などのビジネス関連のスキル向上、論理的な思考方法の習得、各種資格取得のための学習、など各分野に渡っています。

社会や環境の変化に柔軟に対応できる知識やスキルを身に着けることは大切なことであると思います。コロナ下での一過性の活動に終わることなく、息の長い活動として続けてもらいたいと思います。