山陽新幹線ボンネット破損の人身事故は重大インシデントでは

山陽新幹線を巡る重大事故がまた発生しました。今回は、新幹線軌道敷内で死亡人身事故が発生しました。

山陽新幹線博多発東京行きのぞみ176号が、6月14日午後2時前後に博多~小倉間で人をはねました。福岡県警による発生現場の特定作業などに伴い、山陽新幹線は博多~広島間の上下で14日の運転は取りやめとなり、約4万1500人に影響が出ました。

はねられたのは、男性介護士52歳の方のようです。

山陽新幹線の先頭車両のボンネットが破損しているのがわかり、新下関駅で緊急点検の結果、ボンネット内部から人体の一部が見つかったそうです。運転士は博多~小倉間で異音に気付いていましたが、点検をせず、新下関駅まで走行を続けたそうです。

運転手によれば、「博多~小倉間で『ドン』という音を聞いたが、同じような音を過去にも聞いており、ただちに止める必要はないと判断し、運転を続けた。」と説明したそうです。また、異音について東京の総合指令所に伝えておらず、小倉駅でも「必要ないと思った」として、点検をしなかったということです。

この区間では、動物の飛び込みによる新幹線との接触事故が過去にも発生しており、今回の「ドン」という音もその音であろうと判断した模様です。

その為かどうか分かりませんが、JR西日本は今回の対応について、「ただちに内規違反とは言えない。」としているようです。

但し、山陽新幹線は、昨年12月に新幹線台車亀裂という重大事故が発生しており、JR西日本は事故調査を徹底的に行い、異変を察知すれば運行を止め、安全確認を徹底する方針を示したばかりでした。

それが、異常音を認識しながら、漫然と運転を続け、すれ違った対向新幹線の運転士に先頭ボンネットの破損を発見され、指令所に通報されたとのことです。次の新下関駅で車両を緊急点検したところ、ボンネットは先端が大きく割れ、内部から性別不明の人の胴体の一部と腕などが見つかったとのことです。先頭車両の表面には血のようなものも付着していました。

本来、新幹線軌道敷内に人が入ることは、防護柵などで防がれていますが、博多~小倉間の一部地域では、防護が不十分で人の立ち入れる可能性のある個所があるみたいです。JR西日本も従来よりこの点は認識しており、対策が地理的状況から難しいことから頭を悩ませていたとのことでした。

今回の事故の発生により、山陽新幹線の安全神話に大きく傷がついたと思います。JR西日本は、もう一度今回の事故を徹底的に分析をし、事故原因を究明する必要があると思います。

「なぜ列車を止める判断が運転手にできなかったのか。」「本部指令所に連絡することを躊躇う原因は何だったのか。」「本部指令所(JR東海)と意思疎通し難いことはなかったのか。」「運転手は前回事故の対策用社内教育を受けていたのか。」「内容を本当に理解していたのか。」「緊急停止する条件が具体的に明示されていないのか。」などなど徹底的に究明してほしいと思います。

先頭ボンネットが大きく破損していますので、列車自体の脱線事故の可能性は本当になかったのかどうかも気になるところです。

JR各社も日々努力されていると思いますが、新幹線は日本の世界に誇れる最も安全な高速鉄道ですので、さらなる安全性の向上をお願いしたいと思います。

 

 

 

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