名古屋は住みやすい街です。

名古屋はとても住みやすい街です。街は広々としています。道路は広く整然と整備されています。大都市の割にあまり人でゴミゴミした感じはありません。他の大都市に比べ地価も安く、一戸建ての家でも普通のサラリーマンでも十分に手が届きます。普通の人の通勤時間は、30分から長くても1時間です。1時間かけて通勤している人がいると長いと感じます。

名古屋の世間的イメージは、あまりよくないと思います。行きたい都市ランクで最低ランクです。世間から見て魅力のない街のようです。名古屋のイメージは、工業都市のイメージではないかと思います。確かにトヨタを始め日本を代表するメーカーは多いです。今は、リニアから自動車、航空機、ロケットと産業のすそ野がますます広がっています。輸出する日本の工業製品の多くは、この地域で生産され名古屋港から世界に輸出されています。でも、観光スポットは、あまりぱっとしません。

名古屋の人は、地味で控えめで口数が少ないと思います。職人気質の人も多いと思います。仕事をコツコツ真面目に行う人が多いです。あまり目立ちたがりません。皆と同じように仕事を行い全体の和を重んじ、決めたルールや規則を守ろうとします。人と違っていることを嫌う傾向があります。要するに、都会でありながら大いなる田舎なのです。

初めて名古屋に仕事などで訪れても、なかなか旨く行かないと思います。名古屋の人は、仲間を大切にします。仲間のことを「ツレ」(漢字で書くと「連れ」? )と言います。名古屋の人は、基本的にツレの内で仕事をします。よそ者は、極端に警戒します。名古屋の地で商売がうまく行くためには、まず、仲間に入れてもらうことです。仲間になると非常に面倒見よく親切に接してくれます。

世間から名古屋の事を低く見られていることを名古屋の人は良く知っています。でも、殆んど気にしていません。なぜなら、皆名古屋が好きだからです。
名古屋の人は、就職などで名古屋圏からあまり出ようとしません。名古屋から会社の都合で東京等へ転勤しても、最終的には、名古屋へリターンする人が多いです。昔は、「名古屋モンロー主義」と言われました。名古屋で一応何でも揃っています。外に出ていく必要性が感じられないからだと思います。

「名古屋メシ」として最近名古屋の食べ物も少しは、有名になりました。しかし、あくまで「メシ」です。高級料理のイメージではありません。何となく低く見られている表現です。でも、名古屋の人は気にしていません。有名になってうれしく思っています。

名古屋の銀行金利は、日本一低いといわれています。名古屋では、ツレで仕事をします。仲間を大切にします。それは、お客も大切にするということです。
お客も広い意味でツレです。その為、一人が多くの儲けを取ることを良しとしません。利益は、薄く広くが基本的考え方です。薄い利益でも、皆が商売が成り立ち、日々の暮らし向きが立つようにすることが大切なのです。一人で利益を独占するような商売をすれば、ツレから見放され名古屋では商いはできません。銀行金利を始め、名古屋での商売の利幅は、薄いのが常識です。

名古屋では、「値打ち」という言葉が、キーワードになります。名古屋人の消費行動の基本は、この「値打ち」で決まります。値打ちなものは買うが、そうでないものは買わない。安いものが良いというわけではありません。高くても「値打ち」なものは買います。つまり、コストパフォーマンスが重要ということです。従って、良いものを安く売ることが、名古屋での商売の基本になります。恐らく、そのような意味で日本で一番商売が厳しいと思います。

企業が新商品を出す時、よく名古屋で商品テストをします。名古屋で売れたものは、全国的にもヒットすることを知っているからだと思います。最近は、名古屋のビジネスモデルが名古屋以外に進出していますが、最近の事です。名古屋の人は、あまり外に出たがりません。

名古屋の人は、世間で名古屋の事を揶揄しても、まったく気にしていません。世間の意見に対して、その通りだと思っている人も結構います。でも、気にしていません。(河村市長は名古屋のPR必死ですが。)  むしろ、あまり名古屋を宣伝したくない気持ちがあると思います。よそ者にあまり進入してきてほしくないような感覚とでもいうか、名古屋は名古屋人で仕切ってうまくやっているので、東京や大阪のような人々で込み合う大都会にはしたくないイメージです。

私は、名古屋の下町で生まれた純粋な名古屋人です。仕事の都合で、40歳代中盤から東京に長く住んでいました。大阪にも仕事でよく行きました。その結果、東京・名古屋・大阪の間を行き来して仕事をしてきたことから、3大都市圏の人々の意識や考え方の違いに接してきました。そんなことから、これからも名古屋について思うところを書いていきたいと思います。

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